お客様が書き留める建築日記-その7-【全10話】

この文章は、土地選びから竣工まで、建築当時のお施主様のさまざまな率直な想いを書き留めて下さっていた「建築日記」です。今回は、「優しい素材との調和」のご夫妻の文章(2012年5月〜2012年9月)をご紹介します。

目次

01|二世帯住宅のこと

「二世帯住宅」
どんなおうちを建てたら良いのか悩みます。
家族それぞれの生活のスタイルを考えながら、気持ちよく仲良く暮らせるおうちにしたいと思いながら、グッディーホームズさんにお世話になることにしました。

間取りを考えること、どんな雰囲気のおうちにしたいのか、そこでどんな風に暮らしたいのか、考えることは山ほどあって、こんなに大変なことになるとは思ってもいませんでした。
主人の実家を建て替えるという計画だったので、おうちの片付けに始まり、解体、そして最悪なことに、地盤改良、もうここまでで何だか疲れてしまった感じかありますが、基礎工事が始まってからは早い早い!気がつけば屋根まで出来ちゃったではありませんか!

今は素敵なおうちになることを楽しみにしています。
グッディーホームズのスタッフの皆さま、お世話になりますがよろしくお願いします。

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02|解体工事はやはりせつない…

時々書かせてもらいます、夫です。よろしくお願いします!

さて、全くの新築をお考えの方には関係ありませんが、立て替えとなると必ず経験するのは解体工事でしょうか。
私の実家はこんな感じでした。

築30年以上でしたが、マメにメンテナンスしていたためでしょうか、
見た目はまぁまぁきれいでした。
でも、解体して分かりましたが、3.11の地震で基礎がゆがんでいたり、壁の中はカビや腐食が見られました。
最初にグッディさんにお願いしたお仕事はこの家の解体でした。
かわいい重機が入ったなと思ったら、あれよあれよと懐かしの実家が壊れていくではありませんか。

新しい家のためとわかってはいますが、なんだか切ない瞬間でした。
大きなトラブルもなく、順調に滑り出した我が家の建築計画の第一歩でした。

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03|なかなか決められない

こんにちは、家造りってほんとうに楽しいですね。
グッディーさんの求人情報を最近リアルに見てる夫です。

でも家一軒建てるのに、こんなにたいへんとは、夢にも思いませんでした。
初めは、実家と自宅を売却して、建て売りでも探そうかとも思いましたが、
それだったら立て直した方が早いなと思ったのが去年の秋です。甘かった。

優柔不断な我が家は、それから何ヶ月か間取りや外観の検討で、毎日方眼紙とのにらめっこでした。
近藤さんにもいろいろプランをいただき、感謝しています。

土地にはいろいろ制約がありまして、準防火地域とか北傾斜とか…
なかなか思ったようにはいかないところがあります。デザインを重視すると間取りがいまいち、間取りを取ると
デザインが…

結局我が家は2世帯ということもあり、間取りを、どちらかと言えば重視しました。
それでもグッディーさんらしいデザインを提案していただき、満足なプランに落ち着いたわけです。
プランさえ決まれば後はほんと早かった。

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04|グッディーなワンちゃんたち

グッディーさんの新しい事務所にはカッコいいドッグランがあります。
以前から聞いてましたが、この間、初めてこの子たちに会いました。あれっ、写真は同じ子かな?

誰にでもなつくお調子者です。
新しい家のお向かいにも、裏にも、お隣さんにもワンちゃんがいます。
それも楽しみの一つとなっています。

今の家のフローリングはいわゆる普通のフローリング材で、イヌにとっては滑って転ぶ恐い場所になってます。

今回グッディーさんでお願いしたのは、パイン材の無垢フロアです。
柔らかく、傷付きやすい反面、とても暖かくやさしい床材です。こんなイメージですかね?

事務所の二階に行かれますと、体感できます。イヌにもやさしいのではと今から期待してます。

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05|地盤改良

30年以上家が建っていたので地盤に問題があると、ふつう素人は考えません。
でも3.11以来、ポーチと基礎の間に変な隙間があったり、階段と擁壁の間に隙間があったり、おやっ?と思わせる要素は確かにありました…
それでも、地盤改良はいらないだろーって、安易に考えておりました。
しかーし、その報告は容赦なくやって参りました。
「軟弱地盤ですね。鋼管杭工事が必要です。」
ガーン!! 外構にまわそうと思っていたお金が…
しかも、一番大変そうな鋼管杭ですか…とほほ。

このような杭が全部で43本、基礎が載る場所に差し込まれていきます。

一本一本重機で、骨の折れる作業です。
終わってから、現場に見に行ってみましたが…

穴があるだけで、杭の姿はありませんでした。何となく拍子ヌケ?つくしんぼうみたいの期待してたんですが。
基礎工事の際に頭が少し見えたところです。

我が家は立て替えだったので土地を選べませんでしたが、土地選びでは地盤の善し悪しもほんとうに重要ですね。

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06|基礎工事

さて、地盤改良が終わりますと、すぐに基礎工事が始まりました。
こんな土地だったところが、

次の日には、こんな感じになりました。

地中梁が付いた、べた基礎がグッディーさんの標準です。
溝のように掘ってあるところがちょうど梁になり、この時点ですでに部屋の形になっています。
初めて、新しい家の形が現れる瞬間です。埋め込んだ杭も、時季外れのツクシみたいに頭を出しました。
今までは、壊したり、埋めたりだけだったので、グーッとテンションが上がります!
次は、採石を敷いて、防湿シートを敷いて、捨てコンです。

採石は家の重さを分散してくれます。線路の下にも石ころが敷かれてますよね。
コンクリートは湿度を吸っちゃうので、シートで一面を覆います。
鉄筋を組みやすいように、またシートを破らないように捨てコンと呼ばれる仮というのでしょうか、コンクリートが敷かれます。
次は、鉄筋工事です。

一本一本やはり細いワイヤーで結束していきます。家造りは根気が必要です。
鉄筋が一通り終わると、型枠を組んで、いよいよ生コンを流し込みます。
するとこんな感じに仕上がります。

さらに立ち上がります。

最終的にはこんな形に

ここがいわゆる床下になります。様々な配管を通しておきます。

そしていよいよこの上に木造部分が建っていくわけです。
続きはまた次回。

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07|フレーミング工事

奥様が書き留める建築日記ですが、なぜだか書き続けてる夫です。
今回は基礎工事が終わってからのお話しです。

床下の配管が一通り終わりますと、基礎の上にパッキングが敷かれまして、その上にいよいよ木部の土台となる部分が組まれていきます。

パッキングはゴム?樹脂?で出来ていて、木材をコンクリートから絶縁することによって腐食しにくくします。隙間が基礎と木材の間に出来ますので、床下に風が通り抜けます。
ちょうど床下を撮った写真ですが、遠くに明かりが見えているのが分かると思います。

床下の点検口に手を入れると、風が通り抜けているのが分かります。
床下には断熱材、85ミリのカネライトをびっしり敷き詰め、その上に床板を張り、この後壁を立ち上げていきます。

最近のビルや高層マンションでもおなじみですが、パネル工法などと呼ばれる建て方あります。別の場所で、建物のパーツを作り、現場で組み立てて行くという物です。
品質が管理しやすく、効率や安全を考えると確かに合理的です。ただし、パーツを効率よく
組み上げていくのにはクレーンを用意しなければなりません。
幸い我が家の場合、家の前にクレーンが入ることが出来ましたので、この方法によってフレーミング工事が進められました。以下グッディーさんの写真をいくつかお借りします。

これは早い早い! 4,5日でこんな状態になりました。

ほぼ同じ時期に基礎工事を始めたお宅が近所にあるのですが、そちらは普通に大工さんが材木から作っていますので、一気に差が出来てしまいました。この頃の中の様子です。

屋根がないから明るい、明るい!

ベランダができています。

屋根がつきました。

屋根のてっぺんに明かりが見えますよね。あれも意味があるんです。
グッディーさんの家は、外壁の内側に通気スペースが有り、その空気の流れが、軒下や棟へと繋がっています。
つまり、家の周り全体に空気の流れが出来ていて、湿気とかカビに強くなっているんですね。
もちろん雨は入らないようになっています。

ただの木の棒なんですが、組み上げていくとこんなにも美しいものなんですね。
木が大好きな私は、この骨組み丸見え状態が好きです。でもこのままでは寒くて住めないので、グッディーさん最後まで仕上げ、お願いします!

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08|ピッチはや〜い

さて、いただいているスケジュールよりもかなり早いピッチで工事が進みました。
ゴールデンウィークに工事のジャマになるかと思って、草や枝の始末をしようと現場に行ってみますと、なんと作業の音がするではありませんか。
えーっ、現場は休みに入るって言ってたのに。

なんだか歯医者さんみたいな、きゅいーんという甲高い回転音。
覗いてみると電気屋さんたちが電気配線工事をしてくださっていました。お休みなのにありがとうございました。
こんな物を設置したり、電線を通す穴を開けておられました。

興味があったので電気工事士免許の勉強始めました。筆記と実技試験があります。来月6月の初めにとりあえず筆記を受ける予定でおります。理屈が分かっていても、現場の電気屋さんの仕事は複雑でした。しかも判断が早い早い、さすがプロフェッショナルです。試験はせいぜい電球一個とコンセントの回路ぐらいですからね….

スイッチとかコンセントになるボックスの裏に透明なシートのような物が見えます。これはまた後ほど触れますが、我が家は発泡系の断熱材をお願いしたので、その気密性を維持するのに大事なパーツなのです。外壁になる壁の内側のコンセントやスイッチにすべて付けられています。

後で聞いたことですが、この断熱工事のスケジュールに合わせるために、皆様ハイピッチでガンバッテくださっていたんですね。本当にありがとうございます。

さて、この時点で我が家にはまだ窓がありませんでした。雨が入らないように何日かはこんなでした。

でも、ついに入りました!イメージ通りの白いサッシ。

このサッシには本当に苦労しました。
というのは、我が家がある地域は準防火地域でして、いろいろ制約があります。
一定の基準を通った物しか使えません。しかも一昨年発覚した国産樹脂サッシの耐火性能偽装のためにほんとうに限られた物しかありません。
ダブルハングの方が掃除が楽そうなので、本当はそれが良かったんですが防火対応では、シングルハングになりました。まっ、かわいいからいいっか。

3枚目の写真はリビングの出窓です。グッディーさんの事務所に行かれるともっと高さのある、座れる出窓があります。それよりも低いですが、ちゃんとソファーみたいに腰掛けることができます。お気に入りの場所の一つです。

後日行われる上棟打ち合わせと断熱工事に合わせるかのようにして、速いピッチで、遅くまで工事が進められました。

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09|断熱材は何にしよう

久しぶりの更新です、いろいろ忙しくてすみません….
さて、すでに引っ越しを済ませて、一ヶ月以上になりますので、感想も含めてこれから建築をお考えと方の参考になるようなことをUPできればと思います。

今回は断熱材です。断熱材といえば、一番多いのはグラスウールでしょうか。
どんな材料も長所短所があるので、どれが一番いいとは言えないと思いますが、いろいろ考えました結果、我が家ではアイシネンという発泡系の断熱材にしました。
以前の家がごく普通の建売で、グラスウールでしたので、せっかく建築するなら違う物を試してみたいと思いました。

一ヶ月ちょっと住んでみた感想ですが、やっぱりこれにして良かったと思います。
断熱材だけのせいではもちろんありませんが、なんだか前の家よりずっと静かだし、二階のモアッとするような熱のこもりがありません。エアコンの効き?もよくなりました。
遮熱性の高い窓や、エコウォール、立地などいろいろ相乗したのだと思いますが、今年の猛暑でも、扇風機で十分過ごせる時間が多かったです。

どんな工程かを少し。
屋根ですが、屋根一面に通気層が出来るように、まずこの通気くんを敷き詰めます。

ただの段ボールなんですが、これが壁を伝ってくる空気を棟まで通すのに大事な空気の通り道を確保してくれます。
その後、家全体を発泡スチロールで覆うようなイメージで、ひたすらフォームを吹き付けていきます。吹き付けたフォームは一瞬で膨張しはじめ隙間を埋め尽くしていきます。

屋根なんかはこれでもかというぐらい吹き付けてもらいました。ちょっと幻想的?な空間ですよね。

あとは飛び出た余分な部分をカッターでそぎ落とし、石膏ボードを貼れるようにしていきます。

隅々までピターっとしてますよね。グラスウールだとどうしても角とかに隙間が出来ますが、これだと隙間が埋まりますので空気の移動がほとんど防げます。
屋根とかに吹き付けたのが剥がれてこないのか、疑問ですよね。
でも、アイシネンは生涯品質保証をうたっています。よほどの自信があるのでしょう。
あとで保証書もいただきました。そのお言葉、信用したいと思います。

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10|床材と遮音

オールドプロヴァンスプランの床は、厚さ30mmのパイン材です。
無垢のフローリングはよく、暴れるという表現が使われて、反ったり、隙間が空いたりすると言われます。無垢材に慣れていない職人さんが施工するとなおさらそれは顕著に現われるといいますが、我が家ではそんな心配はありませんでした。

たしかに湿度の変化で踏むとキュッとなるような場所が無いわけではありませんが、パイン材の圧倒的な存在感と暖かさを考えれば、まったく後悔はありません。

以前の家は2階の足音や音楽が気になりましたが、今回は2階全面に遮音シートを貼っていただきました。

2階と1階の間にはグラスウールも敷き詰められています。

3cmの床材に遮音シート、加えてグラスウール。住んでみての感想ですが、かなり静かです。
足音が聞こえないわけではありませんが、よっぽど2階でドスンドスンとやらない限り、気になると言うことはありません。
話し声や音楽、テレビの音などは全くと言っていいほど聞こえません。

施工は、板材を一本一本調整しながら敷いていきます。大工さん泣かせの根気のいる作業です。

木目がきれいです。

このまま塗装しない方も少なくありませんが、我が家はこのあとステインでウォールナット色に仕上げていただきました。
水をこぼすと、水分が木材に吸い込まれてしまうイメージですが、塗装された床は、意外に水をはじき、すぐに拭き取れば大丈夫です。

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